岩手大学との提携講座第2回は、4月18日連合岩手八幡博文会長が「働くということと労働組合 そして連合」のテーマで講義しました。
八幡会長は「ILOフィラデルフィア宣言」から「労働は商品ではない」という言葉を引用しました。今は「働く」ことを貨幣価値に換算するような社会の状況が多く見受けられるが、商品のように「要らなくなったら交換する」ものではない、という意味です。働き方が変化していっても、労働が商品ではなく労働者が支え合う「労働組合」(団結権)の必要性は存在し続けるだろうと語りました。
質問では、「ストライキと言って、会社をさぼる人はいないのか」「ストライキに参加すると、後で本人に不利益があったりしないのか」など、ストライキに関するものが多くありました。
八幡会長は、「ストライキは最後の手段であり、そこに至らないための労使の努力が必要である」と述べた上で、「ストライキはいわゆる民間企業・団体においては合法の手段であり、仮に使用者側がストライキ参加者を不利益な取扱いをした場合は、『不当労働行為』として、労働委員会に申立てし解決する手段がある」と答えました。感想からは、今後社会に出て働くときに、有効な知識として活かしていきたいという姿勢が伺われました。
4月25日(木)の提携講座は、川上明 岩手労働局監督課長が講義を担当しました。テーマは「働く時に知っておきたい労働法」です。川上さんは、豊富な監督官としての経験を織り交ぜつつ、「ブラック企業マンガ」への吹き替えを学生に頼むなどの工夫も盛り込んで講義を進められました。
講義後の質疑は、学生のバイト経験など、現実に即したものになりました。いくつか例をあげると、「仕事のトレーニングはやらなければならないと思うが、ブラックかどうかは、酷さがどの程度だったら判断できるのか」「アルバイトに有給があるのは始めて知ったが、有給取得率は調査されているのか」などです。
川上さんは、「ブラックかどうかの判断は実際難しい」「バイトの有給取得は、おそらく調査していないだろう」ということで、明確にはできない部分もありましたが、実際の職場を考えると判断が難しい部分があることと実感を、学生に正直に語っていました。