齋藤会長のKICK OFF コラム

「核兵器と人間は共存できない」谷口さんの遺志を継ぐ

2017年9月1日

 北朝鮮が弾道ミサイルを発射した8月29日の翌日、長崎の被爆者運動の谷口稜曄(すみてる)さんが亡くなった。単組で青年部活動をしていた時、反核運動の一環として原爆パネルを市役所のロビーなどで展示する運動を行ったことがある。当時、展示する原爆パネルを直視することができなかった。今、思えば被爆者の悲痛な心情も知らずに失礼だった。中でも背中一面を焼かれた少年の写真にショックを受けた。その少年が谷口さんだった。

 谷口さんは、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)代表委員などを務め、原爆・核兵器の恐ろしさを国内外に繰り返し訴え続けてきた。世界で核実験がある度に長崎平和祈念像前で座り込みもしている。昨年9月、北朝鮮が核実験をした時も体調不良を無理して座り込みをした。また、被爆体験を伝える活動も行い、国連での核拡散防止条約の会議では、背中一面が真っ赤に焼けただれた自らの写真を掲げ「どうか目をそらさないで見てほしい」「核兵器と人間は共存できない」と訴えた。核兵器廃絶に人生を捧げた谷口さんのご冥福を祈りたい。

 それに比し、唯一の被爆国の首相である安倍晋三さん。国是の非核三原則を形骸したと思ったら、最近では核兵器禁止条約の不参加を決め、高校生平和大使の軍縮会議での核廃絶スピーチも中止させた。北朝鮮の核・ミサイル開発は言語道断であり許されることではない。しかし、安倍さんの核兵器廃絶や北朝鮮問題の一連の対応は、勇ましい言葉を並べてはいるが、実質はアメリカ追従に終始している。被爆国日本だからできることがあると思う。改めて核兵器の悲惨さを全世界に発信し、アメリカや中国・ロシアをはじめ、各国の大統領や首相を説得し、みんなで平壌に乗り込み、「核兵器・ミサイル開発はヤメロ!」と直接対話をしたらどうだろうか。非現実的だろうか?