新型コロナウイルスに関連した労働相談

 

新型コロナウイルスに関する労働相談Q&A

Q1.新型コロナウイルスの影響による会社の経営難を理由に解雇すると言われた

Q2.正社員は在宅勤務なのに、派遣社員は出社を命じられています。仕方ないのでしょうか?

Q3.会社が休業することになり、正社員の皆さんには休業手当が出ているようなのですが、アルバイトの私には出ないと言われ、有給休暇を使うよう言われました。

Q4.新型コロナウイルスの影響による経営悪化を理由に採用内定が取り消された

Q5.新型コロナウイルスの感染防止のため、仕事を休むことにした場合の賃金は?

Q6.新型コロナウイルスの影響で、会社が休業や勤務時間短縮の場合の賃金は?

Q7.新型コロナウイルスの影響で、小学校などが臨時休業になったことに伴い仕事を休まざるを得なくなった場合の賃金は?

Q8.仕事を休むように言われたが、国が設けた助成制度を会社が利用してくれず、自身の有給休暇を使うように言われた

Q9.隣り合わせの机に40人が席をならべ、換気もしない状況で勤務(三密)。我慢するしかないのか?

Q10.会社の業務はテレワークが出来るものであるのにテレワークを導入してくれず、 感染防止対策も取ってくれない。

Q11.学校現場で任用されている非常勤講師として働いている。今回の臨時休業に伴い報酬は支払われないのか?

Q12.妊娠中ですが職場で働くことが不安です。どうしたらよいでしょうか。

Q13.新型コロナウイルスの感染拡大で収入が激減となる個人事業主に対する政府からの支援策はないか?

 

     新型コロナウイルスに関連した労働相談Q&A(5月28日現在)印刷用

 

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雇用関係(解雇・契約解除)

Q1 新型コロナウイルスの影響による会社の経営難を理由に解雇すると言われた
A1 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効(労契法第 16 条)。労基法上手続きとしては、少なくとも 30 日前に労働者に対して予告をするか、予告をしないときは平均賃金の 30 日分以上の支払いが必要(労基法第 20 条)

ポイント

<無期契約の場合>
 今般の新型コロナウイルス感染症の影響により会社の経営が厳しいことを理由とした人員整理に伴う解雇の場合でも、労働者には理由のない解雇ですから、整理解雇の4要件(①人員削減の必要性があったか、②解雇を回避するための努力がされたか、③解雇となる対象者の選定に公平性などがあったか、④説明や協議がきちんとされたか)を満たしていなければなりません。会社にきちんとした説明を求め、話し合いを通じて解雇が回避できるよう対応を求めましょう。

<有期契約(期間途中の解雇)の場合>
 使用者は「やむを得ない事由」がある場合でなければ、期間途中の解雇はできません(労契法第 17 条)。「やむを得ない事由」は通常の解雇事由よりも厳しく判断され、不当な解雇の場合、使用者は少なくとも期間満了までの支払い義務を負います(民法第536条第 2 項)。期間途中の解雇を受けなけざるをえない場合は、期間満了までの賃金を請求しましょう。

<有期契約(期間満了による雇止め)の場合>
 有期契約は期間が満了すれば契約が終了するものですが、更新を繰り返して無期契約と実質的に異ならない場合や反復更新の実態、引き続き雇用されると期待させる使用者の言動、契約書の更新に関する記載(更新の有無・内容)など、様々な事情をもとに合理的な期待が認められる場合は、使用者は解雇ができない場合もあります。これらに当てはまれば期間満了ではあっても雇止めを回避することができます。

<派遣契約の場合>
 派遣先の会社から派遣切りがあった場合、それは派遣元の会社(派遣会社)と派遣先の会社との労働者派遣契約が、契約期間が満了する前に「中途解除」されたことを指しますので、派遣会社と派遣社員との雇用関係は、その雇用契約の期間満了までは継続します。期間満了まで、派遣会社から他の派遣先が紹介されない等で、休業をすることとなった場合(自宅待機も含む)、派遣会社は休業手当(平均賃金の60%以上)を支給する必要があります。
 派遣会社が有期労働契約を途中で解消するのは「解雇」、派遣契約の期間満了後に新たな契約を結ばないことは「雇止め」です。派遣会社が派遣労働者を解雇する場合は、通常の使用者が労働者を解雇する場合と同様、解雇4要件(※)を満たす必要があります。また、派遣契約を更新せずに雇止めをする場合、契約更新が期待される場合で、契約更新をしないことの合理的な理由がない場合、解雇と同様の扱いとなりますので、解雇4要件を満たす必要があります。

※解雇4要件
①整理解雇の必要性があること、
②整理解雇回避のための努力を尽くしたこと、
③解雇の人選基準が、客観的・合理的な基準であり、適正にその基準を運用したこと、
④解雇の際、労働者への説明、協議を行うなど、解雇の手続きが妥当であること。

<寄せられた相談事例>

  • 正社員として 16 年間勤務。急(3/26)に会長から電話で「業績が悪いので、4/15 付け(給与の締め日)で解雇する」と言われた。(正社員・男性・飲食店宿泊業)
  • 派遣労働者だが、いきなり派遣先から「明日で派遣を切る」と言われた。派遣元から仕事を探すから自宅待機を命じられていたが、先週「やっぱり仕事はない」と言われた。(派遣社員・60 代・男性)
  • パートで働いている。契約期間がない働き方と聞いていたが、契約書に3ケ月更新という文書があり、今回契約満了による契約終了で打ち切られることになった。何とかならないか。(パートタイマー・20 代・女性・卸売小売業)

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雇用関係(雇用形態による差別・同一労働同一賃金について)

Q2 正社員は在宅勤務なのに、派遣社員は出社を命じられています。仕方ないのでしょうか?
A2 4月1日から正社員と有期、パート・アルバイト、派遣労働者の待遇差をなくす「同一労働同一賃金」の導入も始まっており、厚生労働省は、正社員ではないという理由だけで在宅勤務をさせないことは違法だ、と指摘しています。

ポイント

 もともと旧労働契約法第20条や旧パートタイム労働法第8条で、有期、パート・アルバイト、契約労働者について正社員との間で不合理な労働条件の相違を設けてはならないと定めていましたが、大企業には2020年4月、中小企業には2021年4月より適用される「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パート・有期法)」第8条・9条で、同様に不合理な待遇の相違が禁止されています。
 在宅勤務や時差通勤の目的は、「労働者を感染から守る」ことにあります。感染防止の必要性は、正社員であろうと正社員でなかろうと変わりません。労働者の感染防止の必要性に変わりがない以上、有期、パート・アルバイト、派遣労働者にだけ在宅勤務や時差出勤を認めない取扱いは不合理というべきです。

<寄せられた相談事例>

  • 契約社員で保育士として勤務。自粛登園により子どもの人数も半分以下となり、職員も感染リスクを避けるため減数し対応。正規職員は特別有給休暇を取得しローテーションで勤務しているが、正規職員とほとんど変わらない働き方である私たち契約社員は、特別有給休暇が適用されず毎日出勤している。(契約社員・20代・女性・保育士/千葉)
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で、正社員は有給を分割して使いながら早く帰宅していますが、パートにはそれがありません。交通費や手当もありません。8時間働いていないからでしょうか。(パート・女性・30代/青森)

 

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Q3 会社が休業することになり、正社員の皆さんには休業手当が出ているようなのですが、アルバイトの私には出ないと言われ、有給休暇を使うように言われました。
A3 雇用形態にかかわらず、休業手当は支払わなければなりません。
   

ポイント

 

労働基準法上の労働者であれば、アルバイトやパートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者など、多様な働き方で働く方も含めて、労働基準法第26条に基づき、休業手当の支払いが必要ですし、労働基準法39条に基づき、年次有給休暇の付与も必要です。さらに、パート・有期法第8条、第9条により不合理な待遇の相違も禁止です。

<寄せられた相談事例>

  • 勤務先から1か月の休業の連絡が来て、休業手当について尋ねたところ、有給休暇は使用できるが休業手当は出ないと言われた。(アルバイト・20 代・男性・販売業/東京)
  • 中小企業でアルバイトとして勤務。アルバイトは自分一人であとは正社員。新型コロナウイルス感染症の関係で、時差出勤が促進され、時間を短縮しての就業となった。契約時間は 8 時間だったが 5 時間となり、3 時間分は就業できない。賃金の減収は大変。どうにかならないか。(アルバイト・女性・20 代/東京)
  • 新型コロナウイルス感染症の影響で正社員は在宅勤務や早退して賃金補償をされているのに、パートの私は一人、週4日契約で働いているが、いきなり明日来なくてよい、今日は早く帰ってくれ、と言われて賃金が減っている。会社に補償を求めたら、ないから有給で休むよう言われた。(パート・50代・女性/東京)

 

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内定取り消し関係

Q4 新型コロナウイルスの影響による経営悪化を理由に採用内定が取り消された
A4 採用内定が通知された時点で「始期付き・解約権留保付きの労働契約」が成立したものと解されている。安易に取り消すことはできない。内定取り消しが認められるのは、「客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認できる」場合にのみ限られ、これを満たさない内定取り消しは、解雇権の濫用にあたる。

ポイント

 通常、採用内定通知書や誓約書に内定が取り消される事由が記載されているほか、使用者と労働者の間で取り消し事由が記載されています。ただし記載されていても、それが客観的に合理的でなければならず、今般の新型コロナウイルスによる経営悪化が内定の取り消しの原因だとしても、使用者は内定の取り消しを防ぐために最大限の努力をした結果でなければなりません(Q1回答のポイント整理解雇の4要件を満たす必要があります)。単に先行きが不透明、といったような理由での内定取り消しは認められません。また、使用者は内定取り消し対象者の就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、当事者からの補償などの要求には誠意をもって対応しなければならないことも厚生労働省の指針で示されています。内定取り消しの通知がなされたときは、承諾せず、学校(新卒者の場合)やハローワークに相談を。

<寄せられた相談事例>

  • 4 月から勤務予定の会社(旅行会社)から「内定取り消しにつき、通常 1 カ月分の賃金支払いだが、今回 3 カ月分支払う。もし働きたいと言われても、あなたの仕事だと入社して休業になる。書類に署名して 31 日までに提出してほしい」と言われた。関西から勤務先の東京に引っ越しをしたので、その費用も払ってほしいと会社に連絡したが回答はない。(新卒・20 代・女性・観光旅行業)
  • 転職活動の結果、企業から内定をもらった。その企業にお世話になりたいと思い、他社の内定を辞退していたところ、コロナウイルスの影響で内定を取り消してくれと連絡。4 月から働く予定であったため、また一から転職活動をしなければならい。(30 代・男性)

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休業補償関係

Q5 新型コロナウイルスの感染防止のため仕事を休むことにした場合の賃金は?
A5 労働者自らの申し出により休暇を取得する場合は、年次有給休暇や就業規則どの規定に特別休暇などがあれば取得して賃金が支給される休暇制度の活用を。

ポイント

 労働者自らの申し出により休暇を取得する場合は年次有給休暇や就業規則などの規定に特別休暇などがあれば取得し、会社との話し合いを通じて賃金が確保できるよう対応を求めましょう。各種制度の取得が難しい場合、無給や欠勤での対応となりますが、そのことを理由に労働者が不利益な取り扱い受けることがあってはなりません。
なお、会社の判断により出勤停止などが指示された場合は、使用者の都合による休業にあたり、使用者は休業手当の支払いが必要となります(Q4参照)。

<寄せられた相談事例>

  • 軽い風邪を引いていて新型コロナウイルス感染の不安もある。年次有給休暇はすでに全部取得済。会社に休みを取りたいといっても良いか。(パートタイマー・女性・製造業/京都) 

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Q6 新型コロナウイルスの影響で、会社が休業や勤務時間短縮の場合の賃金は?
A6 使用者の都合による場合は、使用者は休業手当の支払いが必要。

ポイント

 使用者の都合による休業の指示や契約期間が短縮された場合、一般的には労働基準法第 26 条の「使用者の責に帰すべき事由による休業」にあてはまり、休業手当(平均賃金の 100 分の 60 以上)の支払いが必要です。民法 536 条第 2 項では「使用者の責に帰すべき事由」がある場合に、労働者は休業中の全額を請求できるとされています。
 「使用者の責に帰すべき事由」についての判断は難しいところですが、天災事変などの不可抗力に該当しない限りはこれに含まれるとされています。「不可抗力」の解釈については緊急事態宣言以降さらに見解が分かれているところですが、休業や勤務時間短縮の回避の努力がされたのかテレワークや他の業務への転換などが検討されたのか、総合的に勘案し判断されなければなりません。緊急事態宣言が発令されたからといって必ずしも休業手当を支払わなくても良いわけではありません。働く人の生活を守るためにも休業手当の支払いを求めましょう。現在休業手当を払った企業に費用を助成する「雇用調整助成金」も拡大されています。「雇用調整助成金」の積極的な活用を会社側に促すことも必要です。このことは、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイト、契約社員、派遣社員など労働基準法上の労働者であれば対象となります。

<寄せられた相談事例>

  • 学校給食の仕事をしている。市町村が業務委託を行っていて勤め先は民間の中小企業。休校の関係で来週以降の仕事がないが、業績が厳しいので、年次有給休暇などはとらずに欠勤してくれと言われた。(パートタイマー・女性・サービス業・40 代/大阪)
  • 市町村からの委託でスクールバスを請け負う会社の臨時職員として 3 月末までの契約で勤務。今般の新型コロナウイルスの関連で 2/27 に勤務は 3/2 の終了を通告された。3/末までは 10 日間の年次有給休暇をあてる予定だが、残りの期間の賃金保障はどうなるのか。(臨時非常勤職員・男性・50 代・運輸業/新潟)
  • 中小企業でアルバイトとして勤務。アルバイトは自分一人であとは正社員。新型コロナウイルスの関係で、時差出勤が促進され、時間を短縮しての就業となった。契約時間は 8 時間だったが 5 時間となり、3 時間分は就業できない。賃金の減収は大変。どうにかならないか。(アルバイト・女性・20 代/東京)
  • 母子家庭で正社員として働いている。小学生の子どもが一人いるが、学童保育の教室は子どもでいっぱいで感染の不安もあり通わせることができない。一人で留守番させることにも不安があり、休めるなら休みたいが言い出すことができない。このことが原因で解雇されるかもしれない不安もある。(パートタイマー・女性・製造業/東京)

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Q7 新型コロナウイルスの影響で、小学校などが臨時休業になったことに伴い、仕事を休まざるを得なくなった場合の賃金は?
A7 「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」の活用により、賃金の補償を。

ポイント

 新型コロナウイルスへの対応として臨時休業等した小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所、認定こども園等(以下「小学校等」)に通う子どもや、新型コロナウイルスに感染または風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれによる小学校等に通う子どもなどの世話をするために、労働者(正規・非正規を問わず)に有給(賃金全額支給)の休暇(法定の年次有給休暇を除く)を取得させた会社に対し、休暇中に支払った賃金全額(1日 8,330 円が上限)の助成金制度があります(委託を受けて個人で仕事する方はQ8参照)。詳細は厚生労働省ホームページもしくは学校等休業助成金・支援金等相談コールセンター(0120-60-3999)にてご確認ください。
 会社に対して制度の活用も提示しながら安心してお休みを取得できるよう話し合いをしてください。
 医療職などの社会的要請が強い職業等に就かれている方で、お子さんの保育の提供が必要な場合については、訪問による保育の活用等の可能性について市区町村に相談してください。また、内閣府が企業主導型ベビーシッター利用者支援事業におけるベビーシッター派遣事業の3月の利用枠の引き上げを行っています。該当する場合は、企業(会社)に対して制度の活用も提示し安心して働ける環境を求めてください。ベビーシッター補助については、4月から新たにフリーランスや個人事業主も対象となりました。

<寄せられた相談事例>

  • 子ども園(保育園)でパートとして勤務しているが、小学校の子どもを 2 人抱えているため仕事を休んでいる。年次有給休暇を 8 日間取得するが、あとは無給で休むしかないのか。(パートタイマー・女性・40 代・医療福祉/福井)

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Q8 仕事を休むように言われたが、国が設けた助成制度を会社が利用してくれず、自身の有給休暇を使うように言われた。
A8 有給休暇は労働者が自由に取れるものであり、会社都合で休業をさせる場合は、休業手当の支払いが必要。「雇用調整助成金」の活用で賃金補償を。

ポイント

  まず、年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。さらに、仮に有給休暇で対応したとしても、使い切ってしまったら、以後は欠勤扱いとなり、労働者にとっては、収入が途絶えることになり死活問題となります。
 手続きが煩雑という理由で、国の助成制度を利用したがらない事業者が多いのも事実です。しかし、助成内容が大幅に拡充されており、2020年4月1日から6月30日まで(緊急対応期間)と対象期間も延長されています。また、手続きも簡略化されています。改めて、会社に対して、国の助成制度を活用してもらい、労働者が不利益に対して、使用者は誠実に対応していただくよう求める必要があります。詳しくは、厚生労働省のリーフレットをご覧ください。

<寄せられた相談事例>

  • デパート入っている服屋に勤務しているのですが、コロナの影響で、勤務先のデパート自体の休館が決まりました。その際、服屋の会社の方の対応として、公休をあてる、有休を使用する、欠勤扱いとなり減給、で対応して欲しいと言われました。休館日が増えるにつれ、有休も残りわずかになってきました。勤務先の休館に有休を当てる対応は正しいのでしょうか?(正社員・女性・30代・販売業/東京)
  • 新型コロナウイルス感染症に伴う小学校の臨時休校で、会社を5日間休みました。その後、助成対象となる特別休暇になるのか店長に聞いたところ、とりあえず有給休暇として出して、上に聞いてみるとのことでしたが、結局上からは国の制度を利用していないため有給休暇になると言われた。これからも子供が休んだ場合を考えて有給休暇をのこしておきたいのですが。制度を利用してないと言われたら有給休暇になるしかないのでしょうか。(パートタイム・女性・30代/富山)

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安全衛生関係

Q9 隣り合わせの机に40人が席をならべ、換気もしない状況で勤務(三密)。我慢するしかないのか?
A9 使用者には労働者に対する安全配慮義務がある。

ポイント

 使用者は、労働者が生命、身体などの安全を確保しつつ労働ができるよう配慮義務(安全配慮義務)があります(労契法第 5 条)。これを怠った場合には使用者は損害賠償責任が問われるケースもありえますので、会社にマスクの着用や室内換気など衛生管理体制の強化などの対策について労働組合または会社と話し合いをしてください。

<寄せられた相談事例>

  • コールセンターで40名が事務机を横にならべ縦向かい合わせ10列が4列。マスクは自前、消毒用のアルコールもない。クラスターを生む可能性大。それも50~60代が多くとても怖い。(パートタイマー・女性)
  • スーパーの接客業でマスクも着用しているが、会社の衛生に対する意識が希薄。新型コロナウイルスに感染しないか心配。再三店長にアルコールの手配、店入り口付近の手洗い所(お客用)の整理をお願いしても、アルコールについては全く入れてもらえず、手洗い所も荷積みなどで使えるような状況ではなく、改善もしてくれない。うちのお店は大丈夫なのか。(パートタイマー・女性・60 代・卸売小売業/東京)
  • 学習塾の講師として高校生を担当している。1 教室 30~40 人で開講を継続している。教室のドアは開けるように指示されているが、窓は開かず換気はできていない。会社から「講師はマスクをしてはいけない」と指示されている。声がこもって教室の方に聞こえないことが理由。密集した環境で感染が心配。 (女性・教育学習支援業/神奈川)
  • ホテルの支配人。新型コロナウイルスの感染予防から従業員にマスク着用指示をしたところ、総支配人から「客商売であり、市内からは感染者はでていないのでマスク着用は不可」と言われた。労働安全衛生の点からどうなのか。(女性・飲食店宿泊業/北海道)
  • 病院で勤務。病院のマスクのストックが少なくなったので受付以外はマスク着用指示から外れた。感染が心配。(正社員・女性・医療福祉)

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Q10 会社の業務はテレワークが出来るものであるのに、テレワークを導入してれず、感染防止対策も取ってくれない。
A10 感染拡大防止に向け、政府もテレワークを推進している。会社には安全配慮義務があり、感染拡大防止対策を図るのも使用者の責務

ポイント

 厚生労働省では、感染拡大防止に向けた対策として、企業、労働者、一般向けに「新型コロナウイルスに関するQ&A」を作成し、それぞれに対応策を示しています。企業向けのものについては、テレワーク導入支援に関する「テレワーク総合ポータルサイト」を設置し、テレワークの導入支援に関する情報提供をしています。また、テレワークの他、感染防止に関する情報や、その他助成金についての情報も提供しています。そういった情報をもって、会社に対応を求めてください。

<寄せられた相談事例>

  • 会社からは、「在宅できる仕事ではない。今まで通り変わらず働き続けてもらう」と朝礼できっぱりと言われてしまいました。 時短、在宅はなく残業も変わらず普通にあります。大人数で人と人が密着した中での朝礼、昼礼、会議までありますが、内容に緊急性のないものが多く、話す人はほぼマスクをしていません。時差出勤の許可が出ましたが、朝礼に参加するために9時までには出勤するよう言われています。これは時差出勤の意味がありません。(正社員・女性・20代/東京)
  • 全社的にテレワークになっている中で、総務でオフィスワークをしています。自分だけ唯一オフィスアワーに事業所に出勤命令がありました。社員の命を守るためのテレワークだそうですが、私にはその選択肢はないと言われています。理由はリモートワークで出来る仕事がないからとのことです。受け入れるしかないのでしょうか。(正社員・女性・30代・製造業/東京)

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公務職場関係

Q11 学校現場で任用されている非常勤講師として働いている。今回の臨時休業に伴い報酬は支払われないのか?
A11 総務省の通知をうけ文部科学省より各都道府県教育委員会に適切な対応を求めることの通知が出されている。これにもとづいた対応を求めていく。

ポイント

 通知において示された「学校現場で任用されている非常勤講師、学校用務員、給食調理員や補助金事業により配置される職員等についても休業期間中もなんらかの業務に携わることが可能であると想定されているところ。このため、各教育委員会及び各設置者において、当該非常勤講師等の任用形態や学校の運営状況等、補助金事業により配置される職員についてはその補助目的を踏まえながら適切な対応を」にもとづき報酬が確保できるよう話し合いをしてください。

<寄せられた相談事例>

  • 公立中学校で非常勤嘱託職員として働いている。休校の関係で欠勤するように言われた。年次有給休暇もないので今後の生活に不安。(臨時非常勤職員・女性・公務/東京)
  • 中学校で、長期休暇期間中を除く 1 年契約の特別支援教員として働いている。市教育委員会と契約。学校の臨時休業に伴い、明日から来なくていい、手当もないと言われた。いきなり収入がなくなり困っている。(臨時非常勤職員・女性・公務)
  • 新型コロナウイルス対策で、学校が急に臨時休校となった。児童が来なくなり私の仕事がなくなってしまった。他の人は生活に困らないため休んでいる。夏休みなどはほかの所でアルバイトをしていたが、今回は急な事なので対応できておらず仕事がないまま学校に待機している。このままでよいのか。(パートタイマー・女性・教育学習支援業/中国)

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妊婦の方々などに向けた新型コロナウイルス感染症対策

Q12 妊娠中ですが職場で働くことが不安です。どうしたらよいでしょうか。
A12 主治医に、母健連絡カードに「新型コロナウイルスに感染のおそれの低い作業への転換又は出勤の制限(在宅勤務・休業)の措置を講じること」と書いてもらい、会社に必要な措置を求めてください。

ポイント

 もともと、働く妊婦の方々には、主治医等から指導に基づいて、作業の制限、出勤の制限(在宅勤務・休業)等の措置を講じなければなりませんが(男女雇用機会均等法第13条第1号)、新型コロナウイルス感染症に関する措置が新たに追加されています。具体的には、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、働く妊婦の方は、職場の作業内容等によって、新型コロナウイルス感染症への感染について不安やストレスを抱える場合があるとして、主治医が母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)に「新型コロナウイルス感染症の感染のおそれの低い作業への転換又は出勤の制限(在宅勤務・休業)の措置を講じること」等のように記載した場合、使用者はその指導に基づいて必要な措置を講じなければならない、としています。この新たな措置の適用期間は2020年5月7日から2021年1月31日までです。

新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置について(厚生労働省)

<寄せられた相談事例>

  • 妊娠4ヶ月だが、新型コロナウイルスへの感染が不安なので会社を休みたいと思っている。通勤には電車で30分かかり、接客業で、有給は8日しか残ってない。産休手当を頂くため頑張ってきたが、このままだと正社員から外されたり、解雇されたりしてしまう。(正社員・30代・女性/東京)
  • 政府の緊急事態宣言に伴い現在在宅勤務中。妊娠7か月で8月半ばから産休に入る予定でいるが、本日上司から緊急事態宣言解除後の出勤体制についてメールがあった。 上司に「在宅勤務を継続したい」旨伝えたところ、「会社の方針に従って出社してほしい」との返信があった。まだまだ感染への不安があるがどうしたら良いか。(正社員・20代・女性・学習支援業/東海)

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使用者・個人事業主(フリーランス)

Q13 新型コロナウイルスの感染拡大で収入が激減となる個人事業主に対する政からの支援策はないか?
A13 各種支援策があるので、内容を確認のうえ活用の検討を。

ポイント

 経済産業省のホームページに各種支援策の案内が掲載されている(例:パンフレット「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」)ので、内容を確認のうえ活用し、事業継続や雇用確保に向けた対策をしてください。また、個人事業主に給付されていた「持続化給付金」がフリーランスにも拡充されています。

持続化給付金公式サイト(中小企業庁)

 なお、委託を受けて個人で仕事する方で、学校などの休校に伴う子どもの世話などで仕事ができなくなった場合は、新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(日額 4,100 円)が支給されます。詳細は厚生労働省ホームページもしくは学校等休業助成金・支援金等相談コールセンター(0120-60-3999)にてご確認ください。

<寄せられた相談事例>

  • 市から委託を請けイベントを手掛ける零細企業を経営している。3 月上旬から 1 カ月間開催するイベントを請け負っている。今のところ、イベント中止とはなっていないが、万が一中止となった場合、なんかしらの金銭的な補償は国からでるのか。(経営者・女性/東京)
  • 業務請負の会社を運営している。契約先から、委託する業務がなくなったと連絡があった。従業員には休業手当を支払おうと思っているが、会社としてなにか使える制度はないか。(経営者・男性)
  • ヨガのインストラクターとして働いていたが、ヨガの受け持ちクラスが全部なくなったため何の保障もなく収入が途絶えた。救いはないか。(フリーランス・女性/東京)

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